同棲を始めたカップルにとって、お金の管理は重要な問題です。一緒に生活をする中で、生活費の分担や金銭感覚の違いに関するトラブルが発生することも少なくありません。総務省統計局 家計調査のデータによると、ふたり暮らしの生活費は約35万円。金額も大きく、「どうやって管理したらいいの?」「管理方法について揉めないか不安……」と心配な方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、ファイナンシャルプランナーの前田靖浩さん監修のもと、円満な同棲生活を送るためのお金の管理方法や揉めないためのポイント、価値観の違いや収入差がある時の話し合いのコツを紹介します!\同棲カップル向けの質問多数!/(ふたり会議について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください)FP・前田 靖浩さんのご紹介ファイナンシャルプランナー。新卒で大手百貨店へ就職し、売場と外商営業部にて勤務。自身の人生に向き合う出来事をきっかけに、縁あって生命保険業界に飛び込む。ファイナンシャルプランナーになり15年、延べ1万人以上のご相談を受ける中で、一緒に『思い通りの人生』の実現を目指すべく、金融(証券・保険)の知識と経験でお客様をサポートしている。【保有資格】・2級ファイナンシャルプランニング技能士(ファイナンシャルプランナー)・AFP(日本FP協会)・証券外務員二種・プライベートバンキングコーディネーター・四柱推命鑑定師所属:Gift Your Life株式会社https://gyl.jp/seminar_teacher/maeda-yasuhiro/同棲の「お金の管理」でよくあるトラブルは?【先輩カップルの実体験】同棲カップルの間でお金に関するトラブルが起こる理由にはどんなものがあるのでしょうか。先輩カップルが実際に体験したトラブルを紹介します。支払いルールが曖昧になり負担が偏ってしまった同棲生活は楽しかったですが、途中から「あれ?家賃や光熱費、日用品も全部自分が立て替えてるような……?」とモヤモヤした経験があります。支払いルールをちゃんと決めておけばよかったです。(交際4年目・31歳)収入差をオープンに話せていなかった同棲で発生する家賃や食費などの生活費は、ふたりできっちり折半していました。しかし、彼氏から「今のままでは厳しいから節約したい」という声が。よく話を聞いてみると、ふたりには6:4の収入差があり、同じ金額でも感覚に違いがあったのです。年収やお金の話題は切り出しにくいテーマですが、同棲するうえでオープンに確認し合うべきでした。(交際1年目・26歳)>>>お金の価値観やお互いの収入についてカップルでシェアできる「ふたり会議」の詳細を見る2人の共通のお金が勝手に使われていたお互い、共通口座に毎月一定額を入れて食費や家賃を払っていたのですが、パートナーが自分の化粧品や洋服など個人の支出にも使っていました……。どこまでが「ふたりのお金」なのか話し合えばよかった、と後悔しました。(交際3年目・29歳)貯金に関する考え方が違ったパートナーと貯金に対する考え方が異なり、最初戸惑いました。私は今を我慢してでも将来のために備えておきたいタイプ、彼はどちらかというと今を後悔しないように生きるタイプで、貯金の重視度合いも人それぞれなのだと学びました。(交際2年目・27歳)金銭感覚の違いにびっくり同棲してから彼女の節約意識が高いことが判明。電気のつけっぱなしを注意されたり、疲れた日にUber Eatsを頼むのも驚かれたり、最初はなかなか金銭感覚が合いませんでした。(交際3年目・30歳)生活費の支払いルールや貯金についてあまり決めずに同棲を始めると、お金のことで揉めてしまい、思い描いていた同棲生活とはかけ離れたものになってしまう場合もありそうですね。この記事もチェック👇「金銭感覚が合わない…」夫婦やカップルでお金の価値観が違うときの対処方法まとめ同棲におすすめなお金の管理方法は?【メリット・デメリット別に紹介】同棲してからお金で揉めないために、どうしたらいいのでしょうか。同棲カップルにおすすめのお金の管理方法を4つご紹介します。1.一括でお金を管理する方法一括でお金を管理する方法は、お互いの収入すべてをひとつの口座に入れ、そこから生活費やお小遣いを捻出する方法です。「食費」「光熱費」などの項目ごとにそれぞれ割り勘したり支払い後に精算したりする手間がなく、管理が楽な点が大きなメリットです。また、ふたりのお金全額をまとめられるので、貯金もしやすいのも特徴です。一方で、給料がすべて「共通のお金」になるため、お金を自由に使いづらくなる点には注意が必要です。また、ふたりの間に収入差があると、不公平感が生まれやすいため、収入差が少ないカップルにおすすめの管理方法といえるでしょう。メリットデメリット・細かいルールが不要で、管理が楽・家計全体の貯金が貯まりやすい・自由にお金を使いづらくなりがち・収入差があると不満が生まれやすい2.毎月一定額をお互いに出し合う毎月一定額をお互いに出し合う方法は、カップルが毎月決まった金額を共通口座に入れ、そこから生活費をやりくりする方法です。支出額が決まっているので管理しやすいほか、お互いに自由に使えるお金を残せるメリットもあります。収入差があるカップルの場合は、「6:4」「8:2」などの収入差に応じて生活費の負担割合を決めるとお互いにとって無理がないでしょう。ただし、貯金をそれぞれの口座で個別に行う場合、貯金が貯まりづらいというデメリットや、ルールが明確でないと管理がうまくいかないデメリットも考えられます。メリットデメリット・計算が簡単で、管理が楽・決まった生活費の中でやりくりをするため、無駄遣いが自然と減りやすい・生活費以外の余ったお金は自由に使える・貯金を個別に行う場合、家計全体の貯蓄額を把握しづらい3.毎月発生した支出を都度折半する家賃や光熱費などの固定費、食費やレジャー費など毎月かかったお金を都度折半する方法もあります。メリットは、支払いが都度折半されるため、どちらか一方が一方的に支払いを負担することがなく、公平性が高いところです。ただし、毎月の支出上限が決まっていないため、無駄遣いしやすくなってしまうカップルも。また、毎月支出を計算して折半する必要があるので、どちらかが家計管理が得意なカップルにおすすめです。メリットデメリット・支払いが都度折半されるため、公平性が高い・生活費以外の余ったお金は自由に使える・金銭感覚が違っていても、ストレスを感じにくい・毎月の支出を計算し都度折半する必要があるため、管理が煩雑になる場合も・支出の上限がないため、無駄づかいしやすい4.項目によって支払い担当を決める「自分は家賃や通信費などの固定費担当、パートナーは食費や日用品などの変動費担当」のように、出費の項目ごとに担当を分ける方法もあります。共同の口座を作らなくてよいので同棲生活を始めやすく、お互いに余ったお金を自由に使える方法です。また、項目によって支払い担当を決めることで節約アイデアが浮かび、お得な情報を得られる可能性も。例えば、通信費に興味のある方が通信費を担当することで、Wi-Fiを自宅に設置して通信量を少なくできたり、通信プランを見直して費用を抑えられます。ただし、ふたりのお金の管理が分散するので、家計全体の把握が難しくなり、お金が貯まりにくいというデメリットがあります。また、負担する金額をフェアにするために、項目の組み合わせをよく考える必要があります。収入に差があるカップルや、もともと一方が住んでいた家で同棲を始めるなど、生活が大きく変わらないカップルにおすすめの方法です。メリットデメリット・共通口座を作る必要がなく、気軽に始めやすい・余ったお金を自由に使える・支払う項目を興味のある方が担当することにより、節約アイデアが浮かび、お得な情報を得られる・家計全体の貯蓄額を把握しづらい・項目分けによっては不公平感が生まれることも>>>同棲中のお金の管理についてカップルで話し合える「ふたり会議」の詳細を見る5.生活費担当と貯蓄担当に分ける方法カップルの収入差が大きい場合は、どちらかひとりが家賃や生活費などの基本の支出を全て支払い、パートナーの支出はすべて貯蓄(投資)にまわす方法も考えられます。結婚前提での同棲で結婚式や新婚旅行の資金を早く貯蓄したいカップルや、海外旅行などの特別なイベントのためにふたりでお金を貯めたいカップルにおすすめの方法です。メリットは収入が少ない(または変動が大きい)ほうが貯蓄を担当することで、基本の生活費の心配が少なくなることです。一方、貯蓄(投資)の管理をふたりでできない状況に陥ると、お金を勝手に使うなどの争いの種になるリスクもあります。メリットデメリット・生活費をどちらが出すかの計算が省ける。・毎月貯蓄(投資)できる金額が分かりやすい。・ひとりの収入で生活費を賄えない時は成立しない。・資産の共同管理の意識が薄れやすい。この記事もチェック👇カップルの貯金はどうしてる?結婚費用や共同貯金のコツを紹介 同棲カップルが上手にお金を管理するポイント明確な目標設定と共有を行う定期的にふたりの将来の夢や目標を話し合い、一緒にもしくはそれぞれが目指していることを確認するとよいでしょう。また、「毎年2回旅行に行くためにお金を貯める」「○年後に結婚するために、結婚資金を貯金する」のように具体的な数字まで決めておくと目標が明確になります。目標がぼんやりしていたり、期限や頻度が共有できていなかったりすると、「なぜ貯蓄や投資をするのだろう?」「いくらまで貯金すればよいのだろう?」と判断基準がぶれ、トラブルの原因になることも。さらに、生活費と貯蓄(投資)の優先順位まで確認・共有できていれば、安心ですね。>>>今後のキャリアや人生設計について話し合うきっかけが作れる「ふたり会議」の詳細を見るお互いの収入・支出を確認し合う同棲を始める前に、お互いの収入や支出を確認し合うことも大切です。お互いの収入、支出とその内訳を共有し合うことで、それぞれの経済的状況や、お互いの金銭感覚、ライフスタイルも把握できます。また、収入や支出は常に変動するため、定期的に確認し合いましょう。月に一度を目安に、お互いの収入や支出の確認をするとともに、お金の使い方や貯金の進捗状況なども話し合う時間を設けると、よりお互いにストレスのないお金の管理方法を見つけられるかもしれません。共通のお金の使用用途を明確にする同棲中「パートナーに、勝手にお金を使われてしまった……」というトラブルを防ぐためには、共通のお金の使用用途を明確にすることがもっとも大切になります。どのような支出に共通のお金を使い、どのような支出は個人の負担とするのかをしっかり決めましょう。例えば、家賃や光熱費、食費などの日常的な支出は共通のお金で負担し、洋服や化粧品などの個人的な支出は、個人の負担とするとわかりやすいかもしれません。共通のお金の使用用途を明確にすると、お互いに納得した上での支出ができるようになり、トラブルや不満が生じにくくなります。また、共通のお金を使う際には、支出について必ず共有すると決めておきましょう。例えば、予算を決めてから買い物に行く、支払い後に明細を共有するなどの方法があります。>>>質問に答えながらふたりのお金の使い方をシェアできる「ふたり会議」の詳細を見る支払いルールをきちんと決める同棲カップルのお金の管理でトラブルになるのは、支払いルールの曖昧さが原因になることが多いです。スマホの家計管理アプリを利用したり、「支払いをどちらがどの程度負担するか」などのルールを明確に決めておきましょう。例えば、「家賃や光熱費はひとりがすべて負担するのか」「どのくらいの割合で折半するのか」などをふたりでしっかり話し合い、お互いが納得した上で細部まで決めておくとよいでしょう。また、支払いの担当者を変更する場合や、新たな支払い項目が発生した場合には、再度話し合いを重ねてルールを更新しましょう。ただし、自分自身の収支状況が変わったり、支払いが予想外にかさんでしまったりと、ルールを守れない状況になることもあるでしょう。ルールを守れなくなった場合には、すぐにパートナーに素直に相談し、ふたりで協力して解決策を考えていきましょう。この記事もチェック👇同棲に役立つアプリ10選!お金や家事の悩みを解決するおすすめツールお互いの価値観を尊重する金銭感覚や価値観が似ているカップルでも、考え方が100%同じということはありません。お金に対する経験や価値観、何にお金を使いたいかが大きく異なる場合があります。例えば、一方は外食や旅行にはお金を惜しみなく使いたいと思っていても、もう一方が貯金に重きを置いていて節約を重視したい場合、すぐにお互いを理解し合うのは難しいかもしれません。一方で、お互いの価値観を知って理解し尊重し合えることは、一緒に生活をする上で必要不可欠な要素です。お互いに譲り合えると、どちらの希望も叶えられるように予算を調整でき、ふたりともが無理のない生活を送れるようになります。お互いの価値観を尊重し合えると、カップルの信頼関係はより高まり、長く良好な関係を築けるでしょう。この記事もチェック👇同棲前に確認したい価値観チェックリスト15選!話し合いのポイントも紹介お金の話をタブー視せず、定期的に見直す同棲カップルが上手にお金を管理するためには、「お金の話をタブー視しないこと」がとても重要になってきます。お金に関する話題は「恥ずかしく感じる」「話すのが怖い」と感じるカップルも多いようですが、いざお金に関する問題が起きた場合には、話し合いが不可欠です。定期的な見直しをすると、お互いの価値観が変化したり、生活環境が変わったり、思ったより貯金ができていない場合などでも早期に対応できます。見直しの頻度は、カップルによって異なりますが、月に一度や二か月に一度など、定期的なタイミングを設けましょう。お金の話をも自然とできる関係性を築くことは、今後のふたりの良好な同棲生活においてきっとかけがえのないものになるはずです。>>>お金の話題を切り出しにくいカップルにおすすめの「ふたり会議」の詳細を見るお金について話し合いづらいカップルには質問アプリがおすすめ!同棲生活でお金の話はとても大切ですが、中には「話し合いが難しい」「どうやって切り出せばよいのだろう?」と悩んでいる人もでしょう。そんな時は、お互いが安心して話し合える環境を整えるところから始めてみましょう。「ふたりがより豊かに暮らすために話し合いたい」という前提をパートナーに伝えてみると、相手も受け入れやすいはず。お互いに協力しあって、より幸せな生活を実現したいという目的をシェアするだけで、前向きな話し合いにつながります。話し合いのきっかけ作りには、カップルの価値観共有アプリ「ふたり会議」を活用するのもおすすめです。LINEアプリ「ふたり会議」には、ふたりで使うお金はどのように管理したい?食にお金を使うタイプ?ふたりの収入を合わせると、世帯年収はいくらぐらいになりそう?将来に向けて、ふたりで貯金したいと思う?お金に関する話し合いのタイミングはどれがいい?などのお互いの金銭感覚や家計管理方法の価値観を聞く質問があり、カップルがお互いの考えを入力してシェアすることで、話し合いをサポートします。お金の話題が話し合いづらい場合は自分たちだけで解決しようとせず、便利なツールの活用も検討してみましょう!今すぐアプリをチェック👇ふたり会議 | LINEでできるカップルの質問アプリ〜楽しく価値観を共有〜まとめFP前田さん監修のもと、同棲生活におけるお金の管理方法、メリットやデメリット、注意点を解説しました。同棲カップルのけんかの原因に多い「お金のトラブル」は、ふたりの話し合いでほとんどが防げます。それぞれ育ってきた環境が異なるように、金銭感覚やお金に対する価値観もそれぞれに違いがあって当然です。ふたりの価値観を無理に合わせようとせずに、お互いを尊重しながら話し合い、ふたりにぴったりのお金の管理方法を見つけていきましょう。同棲中のお金の管理は、ふたりが一緒に暮らしていくうえでとても重要ですが、話しづらいと感じることもあるかもしれません。今回紹介した対話のコツや質問アプリ「ふたり会議」を活用し、パートナーとしっかり話し合えるようになったら、これからの同棲生活はより円満なものになるでしょう。ふたりらしく、豊かな同棲生活を送れるように応援しています!この記事もチェック👇【実体験】同棲で不安になる理由と対処法は?同棲ブルーを乗り越えるコツ