「言語化が苦手」と感じることは一人ひとりに共通する経験かもしれません。内なる感情や思考を正確に言葉にしたり誰かに伝えるのは難しいもの。しかし、その気持ちや考えを上手く形にすることで、自分自身をより深く理解する道が開かれます。今回「ふたりの教室」では、プレゼンターから自分の気持ちや考えを言語化し本音に気づくコツを学ぶイベントが開催されました。こちらのイベントについて詳しくレポートしていきます!自分の心の声に耳を傾け、言葉に変えるステップを一緒に学びましょう。苦手だった感情の言語化と向き合い、本音に気づけるようになるまで/さゆさん過去、感情を見せるのは迷惑であり、傷つくことだと思っていたさゆさん。どのように乗り越えていったのか具体的な方法を聞いてみました。まずはじめに、さゆさん自身が感じる言語化への苦手意識についてお話がありました。これまでは、良い子でいることや優等生でいるために自分の感情よりも周りに合わせることを優先したり、感情を見せることで傷つくことを避けたりしていたとのこと。背景には「家族に心配をかけたくない」「いじめられたくない」という思いがあったそうです。また、言語化したいけれどうまく言葉にできなかったり、感情をうまく取り扱うことができずに悩むことも。そんなさゆさんが気持ちの言語化のために行っていたのが、カウンセリングとジャーナリングです。それぞれ詳しく解説がありました。まずカウンセリングについて。カウンセリングは病気になったときに行くイメージがあったそうですが、そうでなくても大丈夫だと知ったことで通うことに決めたそうです。2週間に1回カウンセリングルームに通い、今の心の状態を分析してもらった上で一緒に見つめ直していくという時間を過ごされています。カウンセリング中は、癒されるだけでなくて苦しくなることも多いため、イメージはリハビリや筋トレに近いそう。いろいろなカウンセリングスタイルがあるので、自分にあったものを選ぶのがおすすめだとアドバイスもありました。カウンセリングに通う目的を決めたうえでセッションを重ねていったさゆさんですが、課題にも直面します。それは、カウンセラーの方に対しても感情が出せないこと。前に進まなきゃという焦りを感じてしまったり、踏み込んだ質問をされると詰められているような感じがして辛くなってしまったり。しかし、ある日「カウンセリングは有益だと感じているけれど、実は結構辛い」ということを打ち明けた結果、「そう、それです!」という風にカウンセラーの方に喜ばれたそうです。それを機に、今まで抵抗感があった感情の言語化のコツが掴めたとのこと。カウンセリングでの感情分析や具体的なフィードバックの実践を通して、感情の発散もうまくできるようになったと話してくださいました。今ではオンラインのカウンセリングサービスも増えているので、気軽に通うことができそうです。続いてジャーナリングについて。狭い意味では「決めた時間内で思いついたことをひたすら紙に書き出し、今ここに集中する状態をつくりだす行為」とされていますが、広い意味では、日記のようなスタイルも含んでいます。さゆさんはAIのジャーナリングアプリを使って毎日感情の記録を残しているそうです。今までは出来事があっても「どこへ行ったか」などの事実しか書いていなかったそうですが、そのとき感じた感情も記録することで内省するきっかけになったとお話がありました。SNSなど誰かにみられるツールとは違い、完全に自分の世界で感じたことを記録できるのが良いですね。最後に今日からできることについて紹介がありました。それはまさにジャーナリング。「ふたりの教室」にもジャーナリングのチャンネルがあり、みんなが投稿しているのを見ることができます。投稿することでメンバーからスタンプや温かいコメントをもらえるので、オススメとのこと。Slackに投稿する過程でどんな感情を感じたのかを整理するきっかけになりそうです。自分との対話を通して感情の言語化ができるようになるまで/かなおさん感情を溜め込みすぎることに悩みがあったかなおさん。どのように言語化にチャレンジしているか、そのポイントについて聞いてみました。これまで日記やブログなどを使った言語化に挑戦されてきたかなおさんですが、継続できずに断念してしまったり、過去に書いた記事に対して違和感を感じてしまうこともあったそうです。そんなかなおさんが現在実践しているのが対話を通したセルフコーチング。意識していることについて詳しく解説がありました。①自分で話して自分で感じる②具体化③外在化相手に伝える過程で本当の自分の感情を認識することがポイントだそう。かなおさんの実際の経験で、ある言葉を発すると お腹がズーンと重くなったり声 が大きくなることがあり、本心は実は別にあるなと自覚することもあったそうです。色とか重さとか肌触りの温度で感情を表すのも有効で、たとえば心がざわざわする様子を「表面がざらざらしていて滑らかではないという」風に表現するなど、イメージで話すことも本音に気づくヒントになります。最後に外在化ですが、「怠け虫」や「できない虫」など自分から 切り離して前において見ることで客観的に自分の側面を受け入れられるようになると解説がありました。前提のマインドとして話を聞いてくれる相手への感謝、解決志向を手放さないことが大切だとお話もありました。かなおさんが感じている言語化のメリットは大きく2つ。悩む時間を減らせることと感情に振り回されなくなることです。「コスパがいい」とも表現されていました。場面場面での自分の状態を把握しておくことで、今後同じことがあったときに悩む時間も減らすことができますよね。アドラー心理学に基づいて考えると、大切にしているものを本当に守り通したいから怒ると言う手法を使ったり、伝えたいメッセージがあってその大きさを表わしたいからこそ涙を流して「こんなに悲しいんだよ」と伝えることがあるそうです。かなおさんにも当てはまる部分があったそうで、だからこそ、感情の奥にある願いに気付きそのままパートナーに伝えられたらネガティブな行動に頼らずにパートナーともスムーズに楽しく生きられるのではないかと感じたとのこと。深く自分と向き合うことが、自分ともパートナーとも良い関係を築くことに繋がりそうですね。まとめジャーナリングやカウンセリング、セルフコーチングなどを活用して少しずつ言語化をする努力を積み重ねることが大切だと学んだ今回のイベント。けっして簡単なことではないかもしれませんが、コツを掴むことで悩む時間を減らせたりするなどメリットも沢山あります。感情の言語化は人間関係や自己理解の鍵となり得るからこそ、ぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。