子供を迎える準備は、妊娠が確定してから始まると思われがちですが、実は「プレ妊活」と呼ばれる期間があることをご存知ですか?聞いたことはあるけれど、実際にどんな準備をしたらいいかわからない方もいるかもしれません。そこで、パートナーシップを学ぶ「ふたりの教室」の看護師・矢込香織(やごめかおり)さんをゲストに迎え、将来子どもを持ちたいと思ったときにどんな準備を整えておけばいいかをテーマに妊活の勉強会をしてもらうことに。今回はその模様をレポートします。講師紹介:看護師/保健師・矢込香織さん矢込さんは大学病院の小児科と新生児集中治療室で働いた後に、町の産婦人科での妊婦検診/子宮頸がん検査などの仕事に従事されています。ライターとしても健康に関する記事を書いたり、厚労省のコンセプションケアの冊子を作るお仕事をされているそうです。また、個人でも新婚さん向けにプレ妊活のカウンセリングを行い、妊娠に向けたプランニングのサポートもされています。プレコンセプションケアは、未来の小さな命に向けた準備期間プレ妊活とは将来の健康的な妊娠、出産後は老後のために妊娠する前から取り組むへルスケアのことで妊娠前の準備期間を指します。プレ妊活は妊活とは異なり、妊娠そのものを目指すのではなく、将来の子供のために妊娠に向けて身体や環境を整えることを目的としています。医療の専門用語では「プレコンセプションケア」と呼ばれ、妊娠前に体を整えておくことで、不妊や妊娠時の合併症、赤ちゃんの先天性疾患のリスクを下げ、健康寿命を延伸させることがわかっています。プレ妊活は性別・交際ステータス・妊娠希望問わずすべての人に必要だと言われています。実際のデータからも、妊娠ができることが当たり前ではないということが読み取れます。日本で子どものいない夫婦のうち不妊を心配したことが ある方はだいたい半分くらいと言われていて、実際に体外受精で生まれてくる赤ちゃんは14人に1人だそう。また、トラブルなく産めるのも当たり前ではありません。命に関わる産科合併症もすべて含めると妊婦さんの半分以上の人がトラブルも起こしていると言われています 。また、赤ちゃん側のトラブルも無視できません。たとえば、基準よりも小さく産まれてくる赤ちゃんはだいたい 10人に1人くらいで、先進国の中では日本がトップクラスで多いそうです。小さく生まれた赤ちゃんは将来的に生活習慣病になりやすいことが調査でも分かってきていて、なんとその影響がさらに次の子どもにまで影響を与えることも分かってきています。 しかし、こういったトラブルは妊娠前からケアをしていけばリスクが低減できるとも解説がありました。>>>子どもや妊娠・出産の価値観についてカップルで話し合える「ふたり会議」の詳細を見る子どもを考え始めたら行うべき大切なステップでは具体的にどのような準備をしたら良いのでしょうか。プレ妊活で行うべきことをみていきます。ライフプランを考える産科合併症や赤ちゃんの病気リスクを避けるためにも、まずはライフプランを考えることが一番最初のスタートラインになります。年齢が上がっていくと妊娠のしやすさは低下していくのでライフプランを立てることで準備を整えてから望むことができます。まずは、以下の3つの質問に答えてみましょう。これに答えることで、いつ頃何を準備したら良いかを把握することができます。1.「今もし妊娠 が分かったらどうしますか?」衝撃的な質問かもしれませんが、継続するかしないかで準備することが変わってきます。継続を選ぶ方は今すぐ葉酸サプリを摂取するなど健康面での対策が必要です。一方で諦める方を選ぶ方は、自分にあった確実な避妊方法を考えることが大切になってきます。2.「将来的に子どもは欲しいですか?」子どもを希望する方は、いつ何人ほしいかを考えてライフプランを立てることが大切です。そうでない方は予期せぬ妊娠を防ぐことが大切なので、自分に合った避妊方法を考えてみてください。3.「子どもはいつごろ何人欲しいですか」年齢と妊娠のしやすさや、その後産むときのトラブルの起こりやすさを知って、いつ頃産むのがいいか考えておくことがポイントです。1人目を出産して2人目を考えたときには、次の妊娠は出産してから少なくとも1年 半空けた方がいいということがWHOでも言われています。授乳するとその分お母さんの骨からカルシウムを使うことになるので、女性の体の回復のために期間を開けることが推奨されているそうです。3つの質問をみてきましたが、子どもが生まれてからはもちろん、妊活によってもライフスタイルは大きく変わります。子どもが欲しい方は教育費や生活費、そうでない方も住まいの環境など、経済的な面を考慮したライフプランを立てることが大切になってきます。必要な医療ケアを受ける不妊の原因になる感染症が存在するので、それらにかかっていないかのチェックは欠かせません。感染症の中には妊娠の経過や赤ちゃんの健康に影響を与えるものがあります。「いつかしよう」で遅れてしまう前に行動することが大切です。具体的には性感染症の検査や予防接種、持病の治療などが挙げられますが、まずはブライダルチェックを受けてみるのもいいでしょう。また、女性は生理に問題がないかや子宮頚がんの検査、男性は精液検査をすることも問題が起きた場合の早期解決に役立ちそうです。ライフスタイルを整える妊娠前には、健康な身体作りや生活習慣の見直しも必要です。バランスの取れた食事や適度な運動を心掛け、禁煙や過度の飲酒を避けることが重要です。改善して結果が出るまでに数ヶ月単位で取り組む必要があるものもあるため、早めのスタートがおすすめです。>>>子どもや妊娠・出産の価値観についてカップルで話し合える「ふたり会議」の詳細を見る子どもパートナーとの話し合いが欠かせない!ここまで具体的な始め方の解説がありましたが、プレ妊活ではパートナーとのコミュニケーションが欠かせません。子どもを迎えるにあたって将来のビジョンや期待もあれば不安な気持ちもあるでしょう。パートナーと素直な価値観を共有し、お互いの意見を尊重しながら準備を進めていくことがポイントになります。>>>子どもや妊娠・出産の価値観についてカップルで話し合える「ふたり会議」の詳細を見る話し合いをする時はふたり会議がおすすめさっそく話し合いを始めたいと思っているみなさんの中には、「パートナーとうまく話し合いができない」「妊娠・出産についてすり合わせたいが、話の切り出し方が難しい……」というもいるのではないでしょうか。そんなときは、カップル向けの対話アプリ「ふたり会議」を活用するのもおすすめです。「ふたり会議」には、子どもは複数人欲しい?子どもができたあと仕事は続けたい?育休は取りたい?などの質問項目があり、「子どもをもつこと」に対してどう思っているかなど、お互いの価値観を手軽にシェアしながら妊娠・出産後についての話し合いもスムーズに進められます。お互いの気持ちや思いをしっかりと伝え合い、将来の計画や準備について話し合う場を設けることで、より強い絆を築くきっかけにもなるでしょう。>>>子どもや妊娠・出産の価値観についてカップルで話し合える「ふたり会議」の詳細を見る今すぐアプリをチェック👇ふたり会議 | LINEでできるカップルの質問アプリ〜楽しく価値観を共有〜未来への準備は今から!第一歩を踏み出そうここまで、将来子どもを持ちたいと思ったときの準備であるプレ妊活についてレポートとしてきました。今回のイベントでは、今から対策できることがたくさんあることを知って、パートナーと何から取り組むか決めたいと思った。ライフプランについて早速パートナーと話してみたいと思った。などたくさんの感想が寄せられました。プレコンセプションケアでは、今までより少し生活習慣に気をつけたり、小さなことから準備を始めることで大きな変化があるのがメリットですよね。プレ妊活は妊娠前の準備期間であり、将来の子供のために身体的・精神的な健康を整える重要な時期です。ライフプランを考えるなどパートナーとのコミュニケーションを大切にし、ふたりの意思決定を共有して進めていきましょう。みなさんが「あのとき準備しておいてよかった」と思えるプレ妊活期間が過ごせることを願っています。