「セックスの頻度が合わない」「性交痛を感じる」「ずっと行為がなくて不安」「性欲にずれがある」そんな時、どうやって伝えればいい?パートナーとセックスについてうまく話し合えず、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。そこで、パートナーシップを学ぶコミュニティ『ふたりの教室』では、2020年5月にYouTubeチャンネル登録数17万人超え・人気の“性教育YouTuber” シオリーヌさんをゲストにお迎えして、性のお悩み相談に乗ってもらいました。ゲストとモデレーター紹介【ゲスト】シオリーヌさん助産師/性教育YouTuber/思春期保健相談士総合病院産婦人科、精神科児童思春期病棟にて勤務ののち、現在は学校での性教育に関する講演や性の知識を学べるイベント等の講師を務める。YouTubeチャンネルでは、性の知識を気軽に学べる動画を配信中。【モデレーター】あつたゆか株式会社すきだよ代表取締役。2022年に「仕事も家庭もうまくいく!共働きのすごい対話術」を出版。「誰もが好きな人とずっと幸せでいられる社会をつくる」をビジョンに事業を行う。夫婦・カップルの対話ツール「ふたり会議」や、パートナーシップを楽しく学べるコミュニティ「ふたりの教室」を運営中。セックスが辛い・前戯が短い・性交痛を感じる……どうしたらいい?相談1.「性欲がなく、セックスに応じるのが辛い。どうすればよい?」コミュニケーションとしては大切なのはわかっているのですが、性欲がなくセックスに応じるのがつらいです。どうしたらセックスがリラックスしてできるでしょうか?あつた:シオリーヌさん、今日はよろしくお願いします! セックスについての話し合いができずにすれ違ってしまうカップルが多いなあと思っていて、そんな方たちのヒントになるイベントにしていきたいです。さっそくですが、ひとつ目の質問は「性欲がなく、セックスに応じるのがつらい」というお悩みです。シオリーヌさん、いかがでしょうか?シオリーヌ:こちらのご相談ですが、パートナーに、「今はそんなに乗り気になれない」と正直に伝えてみてもよいのでは。あつた:したい側に我慢を強いるのも申し訳ないし、応じなきゃと思ってしまうとつらいですよね。どうやって伝えればよいですかね?シオリーヌ:今の正直な気持ちと一緒に、「けっして、あなたへの愛情がなくなったわけじゃない」「今は気分が乗らないけど、後日がっつりしたい!」など、前向きな言葉を添えてみるとか。そうするだけで、相手の受け取り方もだいぶ変わってくるはず!あつた:なるほど! ポジティブな言葉もきちんと伝えるのは大事ですね。シオリーヌ:そしてまずは、「イヤだったら断ってもいい」という共通認識をお互いに持てるといいですよね。相手を傷つけたくないから断らない、では自分がどんどん苦しくなってしまいます。ご自身のお気持ちを尊重してあげてくださいね。この記事もチェック👇【体験談】彼氏とのエッチにまつわる悩みを解決!誘い方・頻度・満足度を改善する方法とは?相談2.「性交痛でセックスが苦手に。どう克服したらよい?」前戯が短く、彼がすぐに挿入するのでものすごく痛いです。自分の中で「性行為=痛い」というイメージがついてしまい、セックスが苦手になってしまいました。痛い時はなるべく伝えるようにしてるんですが、正直入れられてても気持ちよいと思えません。彼は満足してるみたいなのですが、苦手意識をどうやって克服したらいいですか?シオリーヌ:これは……おつらいですよね。セックスってとても繊細な行為。身体的にも精神的にも大きな影響を残してしまう可能性があるので、無理に続けようとするのはよくありません。まずは、痛みの原因を突き止めて、一緒に解決法を探していけるとよいですね。あつた:たしかに、痛みの原因によって対処法が変わってきそうですよね。シオリーヌ:例えば、相談者さんのように前戯が短くて濡れていないことが原因であれば、挿入時に潤滑ゼリーを使ってみるとか。もしくは、特定の角度で挿入すると痛いなら、その体位は避けるとか。婦人科疾患で炎症を起こしている可能性もあるので、1回健診にいってみてもよいかもしれませんね。あつた:女性側は、どうして痛いのか自分でもわからない人が多そう。いろいろ試して、ふたりで一緒に考えていけるのがベストですね。でも、最中に「痛い、やめて!」って言うの、気まずくてけっこう勇気が必要かと……! どうしたらいいでしょう?シオリーヌ:事前にすり合わせておけるといいですね。「痛かったら言うのでやめてほしい」と伝えて合意を事前にとっておくと、安心感でよりリラックスして臨めると思います。セックスの頻度が合わない時は、「あっさり」「こってり」コースの選択制で歩み寄る相談3.「夫とセックスの頻度が合わない……どうしたらいい?」私は毎日でもウェルカムですが、夫はセックスがなくても大丈夫な人。いつも私から誘ってばかりで疲れてきました。眠い、疲れているなどで断られることも……。セックスが嫌いではないようですし、浮気は一切なく普段から愛情は感じていますが、たまに寂しくなります。性欲処理にも困ります。あつた:これも、同じように悩んでる方多そうです。シオリーヌ:お互いにとってのセックスの目的を話し合ってみるとよさそう。相談者さんはおそらく、セックスを愛情表現やコミュニケーションだと捉えていらっしゃる。それに対して、旦那さんは愛情表現は別の方法で示しているから、セックスはそこまで重要ではないと思っているのかも。あつた:「ラブランゲージ」といって、人によって愛情表現の方法は違うんですよね。お互いがどんな愛情表現を求めるのか、相手にどんな愛情表現をしたいのかを理解しておかないと、すれ違いの原因になってしまいそう。※「ラブランゲージ」については、下記ツイートを参照してみてくださいね!%3Cblockquote%20class%3D%22twitter-tweet%22%3E%3Cp%20lang%3D%22ja%22%20dir%3D%22ltr%22%3E%3C%2Fp%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Ftwitter.com%2Ffutari_kyositsu%2Fstatus%2F1242435873410396165%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fblockquote%3E%20%3Cscript%20async%20src%3D%22https%3A%2F%2Fplatform.twitter.com%2Fwidgets.js%22%20charset%3D%22utf-8%22%3E%3C%2Fscript%3Eシオリーヌ:みなさん仕事で忙しくされていて、セックスを負担に感じてる人も多いと思うんです。そこで私が提案したいのは、「あっさりセックス」か「こってりセックス」かを選べるようにすること!あっさりコースのときは、トータル30分くらいでささっと済ませてみてもいい。AVを観ていると、キスや愛撫をたっぷりして、体位をいろいろ変えて、2時間のフルコースが当たり前みたいな感じで、ある意味重荷ですよね……(笑)。あっさりコースもアリという選択肢があると、セックスに対するハードルがぐっと下がります。あつた:相手からしても、「セックスはしたいけどもう夜遅いし寝たい」と乗り気になれない可能性もあるので、時短パターンの導入めっちゃいいですね!この記事もチェック👇同棲中にセックス頻度は減る?悩んだ時の対処法も紹介セックスレス=おかしなことではない。ふたりの気持ちを大切に相談4.「付き合って2年、セックスの話題も出ないのはおかしい?」お恥ずかしい話なのですが、付き合って2年になる彼と1度もセックスをしたことがなく、話題にもなりません。最近では「2年も一緒にいて、こういう話を腹割ってできないなんて心の相性が悪いのでは?」と感じてきました。できるなら今の彼と定期的にセックスしながらこの先も一緒にいられたらと思いますが、どのように話を持ち出すべきか、意見が食い違ったときは別れたほうがよいかをお聞きしたいです。シオリーヌ:まず……別れるべきかどうかは、あくまでもご自身の心で判断することです。相談者さんは、「お付き合いをしているならセックスしなきゃいけない」という思い込みに苦しんでしまっているのかな、と感じました。あつた:パートナーとの生活にセックスは必須だという人もいれば、「人生を一緒に歩む仲間」として捉えているからセックスはなくてもいい、という人もいる。セックスに対する価値観や優先順位って人それぞれですもんね。シオリーヌ:そうですね。世間のスタンダートとされている価値観と、自分を比べる必要はありません。なので、「しなきゃいけない」という不安から、いったん離れてみてください。その上で、今の彼とやっぱりセックスをしたいなと思われるのであれば、そのままの気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。相談5.「頻度が減り、セックスレス気味に。このままでは妊活が作業的に?」交際10年を迎え、現在では2〜3ヶ月に1度くらいと頻度が減っています。セックスがなくても十分満たされていて幸せですが、子どもをつくるときにただの作業になってしまうのか? と思うとさみしいです。作業っぽさをなくせる工夫とかあれば、知りたいです。あつた:今回、セックスレスや頻度の少なさに関するお悩みがとても多くて、こんなご相談も来ています。シオリーヌ:このお悩みを聞いたときに、「作業っぽいといけないの?」と思ってしまいました。人によってセックスの価値観が違うように、セックスの目的もそのときどきで違っていいと思うんです。「さて、今日はタイミング法がんばりましょう~!」って、“共同作業”として楽しむのも1つの選択肢かなあと。あつた:コミュニケーションや愛情表現のためのセックスと、妊活のためのセックスはまた違いますもんね。それぞれの目的に合わせたやり方があってもいいのかなって思います。シオリーヌ:「セックスにはムードがないとダメ!」と思っている人も多いですよね。でも、一般論にとらわれなくてもよいのでは。例えば、加齢によって男性側の持続力がなくなったり、女性側は濡れにくくなったりと、若い頃と同じようなセックスを続けることが難しくなってきたりします。そういうときに、「挿入して射精しないとセックスじゃない」と思うと、どんどん苦しくて楽しめなくなってきてしまう。そのときの2人に合わせて、セックスの方法をステップアップさせていけるといいですね。性の考え方にはギャップがあって当たり前。違うことを前提に話し合おうあつた:シオリーヌさん、今日はたくさんの相談に答えていただきありがとうございました! パートナーと話し合えないことに加えて、自分の中の「こうあるべき」に縛られて悩んでいる人も多いなという印象でした。シオリーヌ:乗り気になれない、楽しくない……など、ネガティブな感情を抱いたときに、「なんでそう思うんだろう?」と、自分の感情を分析してみることから始めてみるとよいのでは、と思いました。なにに性的興奮を覚えるのか、どういうふうに触れてもらうのが好きなのか、みたいな自分のセクシュアリティに向き合うこともすごく大切です。自己理解ができると、相手にどうしてほしいのかを具体的に伝えられるようになります。あつた:まずは自分のことをよく知らないとですね。その上で、相手の意見を聞いたり、記事や雑誌の情報を取り入れてみたりして、ふたりでよりよい方法を探っていけるといいのかも!シオリーヌ:自分が悪いのかも、我慢しなきゃいけない……そう思いつめてしまっている人もいますよね。でも、なにより大事なのは「お互いが気持ちよく、楽しくいられる」ことです!要望や不満を伝えるのは、これからも一緒にいたいからこそですよね。なので、普段から好きな気持ちや、一緒にいられて嬉しいとか、ポジティブなフィードバックもたくさんしておくと話しやすくなると思います。あつた:たしかに、普段からポジティブな言葉を伝えるの大事。不満だけ伝えるのはたんなる文句に聞こえてしまって、相手の気分もよくないかも。「もっとふたりの関係をよくしていきたい」という本来の目的を忘れずに話し合いたいですね。シオリーヌ:そもそも、お互いの性欲や性的な好みがぴったり一致しているなんてありえない。日によって気分も違いますしね。「ギャップがあって当たり前」という前提で、お互いが納得するかたちを見つけていけるのがベストです。みなさんが、パートナーと幸せに、楽しくいられることを願ってます!!シオリーヌさん、たくさんの悩みに親身に答えてくださり、ありがとうございました!世間のスタンダードに縛られず、「ふたりが心地よくいられるためにはどうしたらいいか」をパートナーと対話していく重要性を感じました。とはいえ、性の話についてどこから切り出したらいいのか……と悩む方もいらっしゃるかもしれません。カップルの話し合いをサポートするLINEアプリ「ふたり会議」では、セックスは好き?セックスは週1以上したい?セックスに関して「こうしてほしい」などの要望はある?など、カップルで性に関する質問に回答し、お互いの価値観をシェアすることができます。「なかなかセックスについて話しづらい」という方は、第三者やアプリに頼るのも手。この記事を読んだ方が、ふたりらしい関係性を築けることを心から願っています。今すぐアプリをチェック👇ふたり会議 | LINEでできるカップルの質問アプリ〜楽しく価値観を共有〜取材・文:村尾唯